皆さんは自分の物と誰かからの借り物とではどちらを大切に扱いますか。どちらも大切にするという方でも、どちらをより大切に扱うか、これまでのご自分の態度と行動を振り返ってみてください。
私はどちらも大切に扱うようにしていますが、どちらをより大切にするかと問われれば、借り物の方をより大切に扱っています。
残念ながら、借り物だからといって粗末に扱う人たちをたくさん見てきました。具体的な例は挙げませんが、皆さんもこのような例は何度も目にされてきたのではないでしょうか。
自分の物も借り物も大切にする人でも、そして借り物は大切にするけれども自分の物は大切にしないという人でも、これまで自分の物だと思っていたものが実は借り物であったらと知ったら、しかもそれが人生で一番大切な借り物だと知ったら、態度と行動を変えるでしょうか。皆さんはどうでしょうか。
この借り物とは、多くの人が自分の物だと思い込んでいる「自分の」体です。実はこれは借り物なのです。借り手は本当の自分である魂です。それが証拠に、魂が肉体を去れば、肉体は死んでしまいます。
皮肉にも、自分の物も借り物も大切にする場合でも、体が自分の物だと思いこんでいる人の多くが、残念ながら、この人生で一番大切な借り物を粗末に扱っているのをイスラエルでも日本でもずっと目にしてきました。
例えばマイモニデスといったユダヤ賢者が体の健康とその維持の大切さを力説しているにもかかわらず、伝統的なユダヤ文化では体の健康維持のために毎日投資するという習慣があまりありません。日本はこの点はるかにましなはずですが、それでも中高年となると、こうした投資を続けている人というのは少数派になってしまうことも体験的に知っています。
問と答からなる以下のようなユダヤジョークを考案して、エルサレムに住んでいた頃はたまに披露していました。日本だと通じるかどうか分かりませんが、イスラエルで話すといつも苦笑いされていました。あまりにも当たっているからです。
- 問: イスラエルで一番人気のあるスポーツは何か。
- 答: 食べることと話すこと。理想の組み合わせは食べながら話すこと。どちらも口の運動。
この人生で一番大切な借り物の維持のために口の運動以外は何もしていない人を見ると、それが親しい友人の場合見るに見かねて、エルサレムに住んでいる頃はこうした何人かにフィットネスコーチングを無料ボランティアとして伝授したことが何度もあります。
このテーマに関しては、10代終わりの頃から色々と本を読んだり、講習会を受けたりして、試行錯誤の実践も続けています。こうしてこれまでにたどり着いた結論とも言える、今私が毎日実践している運動は以下の通りです。
- 体幹力を含む筋力の維持(と強化)のための自重筋力トレーニング: 平日の毎朝朝食前の約15分間
- 持久力の維持(と強化)のためのランニング: 平日の毎朝朝食前の約20分間
- 柔軟性の維持(と強化)のためのヨガ: 平日の毎晩就寝前の約15分間
これらのうちランニングとヨガは講習会を受けました。前者は ChiRunning を、後者は Iyengar Yoga をそれぞれ実践しています。
こういう話をすると、こんな時間を毎日取ることができないという反応が多くの人から返ってきます。でも毎日1時間もからないで、確実な「配当」が得られる投資は他にはないはずです。「配当」とは、特に筋肉を失って自分の体重が維持できなくなって転倒し寝たきりになり、寝たきりになるとさらに筋肉を失うという悪循環を避けられるか、遅らせられるというものです。
それに、こうした「配当」とは無関係に、人生で一番大切な借り物はできるだけ元の状態を維持し、貸し手に返すように務めるのが最低限の義務だとも私はずっと思って、上のような平日の運動を続けています。そしてこれは貸し手と借り物に対して感謝を示す方法だとも思っています。