すべての人に共通である人生の目的としての霊的成長を測るためひとつの方法として、自分の意識の段階つまり霊的波長を測るということが考えられます。その指標として David R. Hawkins がその一連の著作の中で提唱している「意識の地図」を簡単にご紹介したいと思います。
この根幹をなすのが以下のような17の意識の段階です。これらのうち最初の8つは幻想の自分に支配された段階で、残り9は本当の自分が支配的になっていく段階です。ただし、これは自分と他人を比較して、優越感あるいは劣等感を抱くためのものではありません。あくまで、自分が今どんな状態にあり、今後まだどんな成長の余地が残されているかを確認するためのものです。
- 恥
- 罪悪感
- 無関心
- 悲しみ
- 恐れ
- 欲望
- 怒り
- 自慢
- 勇気
- 中立
- 意欲
- 受容
- 理性
- 愛
- 喜び
- 平安
- 悟り
それぞれの段階の詳しい説明は例えば彼の著書 The Map of Consciousness Explained に譲るとして、これら17の言葉だけからご自身の意識の段階はどれになるのかということを想像してみてください。
この意識の地図は他のことにも応用が可能で、彼はこの本の中で依存症の本質そしてその発生と解決のメカニズムを、専門である医学の視点からではなく、この意識の地図を使って霊的視点から説明しています。以下ではそれぞれを簡単にまとめてみました。
依存症の発生メカニズム
依存症の人が依存するのはアルコールとの物質ではなく、真の自己の経験です。例えばアルコール依存症の人がアルコールを摂取するのは、意識の段階を高めようとしてのことです。例えば第5段階の恐れにある人がアルコールを摂取すると第15第階の喜びを一気に経験することができるようになります。ただし、この変化が引き起こされるメカニズムは、一時的に低い段階の意識が塞がれると高位自己が経験できてしまうというだけのことです。
確かに始めはこの摂取に効果があります。効果がなければ、誰も摂取しないでしょう。しかし繰り返し摂取し続けていくと、効果がなくなっていきます。人工的に作られた経験だからです。それどころが、逆の経験を生み出すようになります。意識の段階を登るには、まずは現実を受け止めることから始める勇気が必要だったのです。
依存症は霊的覚醒のひとつの方法です。この意味では依存症を恥じる必要はありません。アルコール等の摂取によってもたらされたのは、太陽を覆っていた意識の低い段階から発するエネルギーが取り払われ、太陽が元の輝きを取り戻した状態です。一旦この経験を味わってしまうと、それを取り戻すためにはどんなことでもするようになります。これは依存症を経験したことがない人には分からないことです。
依存症の解決メカニズム
依存症を解決する必要があるのは、それ自体が悪いからというよりも、その効果がなくなっていくからです。依存症が進行するにつれて、自尊心も失われ、本来塞がれているはずだった意識の低い段階のエネルギーがまた頭をもたげてくるようになり、病気・離婚・解雇といった人生の辛い経験をするようになります。こうなると悪循環に陥り、多くの人は依存症という事実を否定するようになります。
解決のための最初の1歩は敗北宣言のように見えるかもしれませんが、依存症という事実を認めることです。この第1歩を踏み出せるようになるのは、普通は落ちるところまで落ちないとできません。しかし一旦この第1歩を踏み出すことで、意識の段階は第9段階の勇気まで一気に上昇します。したがってこの1歩は依存症解決のためには決定的な重要性を持つ1歩であると言うことができます。
個人的感想
アルコール依存症とそれに起因する喪失、そして問題の解決とそれに伴う覚醒を直接体験した後でこの文章を読むと胸が詰まります。特に、この問題が最大の原因の1つとして私の元を去っていった元妻を含め、アルコール依存症ではない周りの誰からも理解されなかったことを思い出すと、胸が痛みます。しかし他方で、アルコール依存症に陥った本当の理由は自分の霊的波動を高め、それを維持したかっただけなのだと聞かされると、心も休まります。
もちろん、誰かを恨むとかは全くありません。それどころか、アルコール依存症という苦難を経験できたことに対して深い感謝の念すら感じます。私と同じようにアルコール依存症を解決した人の多くからも同じ言葉を聞きました。ただ、これも同じ経験をしていない人には理解できないものかもしれません。
そしてこのこと、つまり直接体験をしないことには本当には理解できないということは他の試練にも当てはまるのでしょう。